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御津医師会在宅医療連携講演会「地域医療連携を考える」

『“超高齢社会における急性期病院の役割” 究極の退院時ケアカンファレンスとは』
講師 尾道総合病院診療部長 石川 哲大 先生

日時 平成25年12月16日 19:30〜21:00
場所 国立病院機構 岡山医療センター 西館8階大研修室

参加 65名

御津医師会:森脇、駒越、鳥越、大橋、難波晃、大森、宗盛、清藤 
                      連携室・成広、冨田  事務局・岡田      
 
 

 尾道総合病院診療部長 石川哲大先生をお迎えし、緩和ケア科におけるケアカンファレンスの実際や他のケアチームとの連携の様子、勉強会の様子などを伺った。
 尾道総合病院は地域がん連携拠点病院として診療を行っている。先生は他の緩和ケアチームや在宅のケアチームの様子を知り、顔の見える関係を作ることが地域連携に重要と考え、3年程度かけていろんな緩和ケア病棟や緩和ケアチームの見学あるいは研修を受けに行った。中でもみつぎ総合病院は緩和ケア病棟の病床数は6床ととても小さい病棟であるが、半径20?ぐらいは往診に直接出ており、総合病院の医師が往診に出ることで地域包括ケアを押し上げているチームと言える。
 尾道市は医療専門の副市長を一人置くなど、医療の充実に市を挙げて協力的で、問題点などもその副市長に挙げて検討を行う体制が出来ている。また、「生と死を考える談話室」という取り組みがあり、急性期病院の緩和ケア医、臨床心理士、また、患者自身からも体験談を聞けるなど、緩和ケアに対する研修の充実を図っている。
 カンファレンスについては、退院時カンファレンスには少なからず在宅の医師が参加している。在宅の医師が参加しやすいように事前にICTツールの「天かける」で情報を流して平日日中に短時間でのカンファレンスで情報交換できるようにしている。ケアカンファレンスには家族あるいはキーパーソンが必ず出席するように調整している。また、退院後2週間程度で在宅の環境(在宅医院長室・患者宅)で、モニタリングのためのケアカンファレンスを行うこともある。
 顔の見える関係作りには、医師会の会合(廿日会)がずっと以前から月1回開催されており、病院医師と開業医が一同に会して飲食を含めた会合を行っており、この中で良好な関係づくりが出来上がっている。
 患者がいかにその人らしく死を迎えられるか、また最期の時を過ごせるかが重要と考え「死生観」の研修も行っており、宗教家の話を聞く機会や、がん哲学外来という対話のみの外来の取り組みについても研修を行っている。
 尾道と長崎で在宅医療が盛んである理由は、継代開業が多い事、坂道が多く通院できなくなった患家へ往診に行くのが当たり前という地域であったとの事。講演を聞いて思った事は、患者・家族とも安心して退院し、在宅療養に入れる状況を作ることが大切。誰のためのカンファランスなのかをもう一度考える・何が最も大切なことなのか?誰しも不安はある、しかし患者さんは家に帰りたいと願っている。本音を聞きだし、本気で対応する。どちらも出来ていないのではないか。一朝一夕にできることではないかもしれないが、そのような視点がなければ絶対にできない。家族の本音・本人の本音を本当に聞けているのか?その思いの中にある不安要素にアプローチできているか?患者さん本人、ご家族の気持ちが最も大切なのである。そして、協働するためにはカンファランスで意思統一することが大切、目指すところが違っては連携はうまくゆかない。未だ尾道は目標なのだと・・・
                                               (連携室)

投稿日時: 2014年03月01日 (840 ヒット)

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