2008年12月 巻頭言

御津医師会会長 菅波 茂

2008年4月に御津医師会長に就任して、早くも2008年が終わり2009 年を迎える時期になりました。御津医師会「医療現場を守る」相互扶助 プログラムに少なからぬ会員がとまどいを感じられたと思います。無理 も無いことです。全国的にみても突飛なマニフェストだと思います。

私が一番心配していることは医療を取り巻く環境の悪化です。小泉改 革はいかに米国の保険業界を日本の医療に参入させるか。すなわち、「平 均寿命世界一」に貢献している日本の健康保険制度を劣化させ、高額医 療を米国の保険業界に占有させるかでした。具体的には、毎年2千億円 以上の「財源削減」と「混合診療」です。米国発の金融恐慌によるAIG 崩壊はまさに平成の神風でした。ただし、世界経済の回復までには15年 から20年かかると言われています。冬の到来です。

会長として一番大切なことは会員の生業を保障することです。それは 同時に私たち会員を必要としてくれる地域住民を守ることです。御津医 師会のパラダイムも「生存への変革」へとせざるを得ません。それは危 機管理の視点からのビジョンを実現するための長期政策に基づいた日常 活動です。それが御津医師会「医療現場を守る」相互扶助プログラムで す。危機管理の原点は「尊敬と信頼」です。御津医師会員間のみならず、 御津医師会員と地域住民との尊敬と信頼の確立が最大の目的です。歴史 は尊敬と信頼の喪失した組織の末路を示唆しています。

御津医師会「医療現場を守る」相互扶助プログラムは動き始めたばか りです。来年は勝負年になります。会員の皆様にとって2009年が良い年 でありますようにお祈り申し上げます。

投稿日時: 2008-12-27 20:50:20 (1376 ヒット)


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