トップ  >  巻頭言  >  16代会長 森脇和久先生  >  2013年度  >  2013年11月 巻頭言

2013年11月 巻頭言

                                                                                           御津医師会理事 佐藤 利雄 
 今年も、菊花薫る頃となりました。最近続けて医療連携関連の会に出席しました。
 8月1日に、岡山医療センターで職員医師28名と御津医師会を中心にした先生方27名との「在宅医療に関する意見交換会」が開催されました。
 まず、岡山医療センターの医師と御津医師会医師への診療連携に関するアンケートの結果が提示され、それぞれの立場への理解が今ひとつなされていないことが明らかになりました。
 岡山医療センターの医師にとりましては、担当の患者の治療という面に全力を注いでいるものの、患者の生活を含めた全体像をみる事ができていない「木を見て森を見ず」という、残念な実態がアンケートの結果も含め、改めて浮き彫りになりました。
 それぞれお互いの立場、考えを知った上で、在宅が適しているケース、在宅への移行が困難なケース、患者家族への説明、在宅診療を機能させるシステム作り、などについて話し合われました。医療連携の現実と相互理解、連携を深めるための貴重な意見交換会となりました。
 10月5日には、第5回御津医師会「地域医療」学術シンポジウムが開催されました。御津医療圏は、昔からの生活形態が残り、高齢者を支える家族がいるという恵まれた地域であることに加え、御津医師会の先生方のご努力により着実に地域医療の先進的な取り組みがなされています。
 このような地元で急性期総合病院の勤務医は、診療連携の大事さをわかってはいても、診療の現場では紹介状のやりとり以上の具体的な理解が少ないのも現実です。
言い訳めいて恐縮ですが・・・。
 11月9日には平成25年度全国医師会勤務医部会連絡協議会が岡山で開催されますが、そのメインテーマは「勤務医の実態とその環境改善 ― 全医師の協働にむけて」となっています。急性期病院での勤務医は、厳しい労働環境の中、DPCなどによる短期間の集中的診療と医療の進歩の取り入れに追われ、一部の医師を除くとまだまだ自分の診療世界に目が向きがちなことも現実です。
 御津医師会は、森脇会長が先頭に立って下さって、在宅看取りをはじめ御津医師会の連携室の設立など病診連携を力強く実践されています。地域医療と病診連携との充実が、我々勤務医の業務負担の軽減に繋がることをさらに認識して、これからの高齢化社会に向けて勤務医も知恵と汗をしっかり絞りたいとあらためて思います。
 最後になりますが、御津医師会の先生方には、お忙しい中を金川病院の当直の診療援助もしていただいています。全国的にも稀有な形の診療援助をいただき、心より感謝しています。これからも連携のパイプをもっと太くして、地域住民、診療所、病院がウイン・ウインで地域医療を展開するモデルを目指したいと思います。

投稿日時: 2013-10-31 13:45:09 (812 ヒット)

印刷用ページ このニュースを友達に送る

これまでの巻頭言




TOPへ

サイトマップ