2025年8月 巻頭言
巻頭言
新たな地域医療構想について
御津医師会理事 堀内 武志
2024年12月に、「新たな地域医療構想に関するとりまとめ」が厚生労働省から公表されました。これは、これまでの地域医療構想の後継となる施策です。2014年に始まった地域医療構想は主に入院医療を対象としていて、2025年を目途に病床数の削減、機能分化・連携が推進されました。
新たな地域医療構想は、85歳以上の増加や人口減少がさらに進む2040年と、その先を見据えて医療提供体制を整えていくものです。全ての地域・世代の患者が、適切に医療・介護を受けながら生活し、必要に応じて入院し、日常生活に戻ることができ、同時に、医療従事者も持続可能な働き方を確保できる医療提供体制の構築することを掲げています。「治す医療」と「治し支える医療」を担う医療機関の役割分担を明確化し、地域完結型の医療・介護提供体制を構築し、外来・在宅、介護連携等についても検討していくものです。
新たな地域医療構は、2027年度から順次開始予定です。2025年度中に国がガイドライン作成を行い、2026年度に都道府県で体制全体の方向性や必要病床数の推計等を行います。そして、2028年度までに医療機関機能に着目した協議等が予定されています。
新たな地域医療構想での病床機能は、これまでの「高度急性期」「急性期」「回復期」「慢性期」の4分類のうちの「回復期」が見直されます。「高齢者等の急性期患者について、治療と入院早期からのリハビリテーション等を行い、早期の在宅復帰を目的とした治し支える医療を提供する機能」を回復期機能に追加し、これを「包括期機能」として位置づけています。
また、病床機能とは別に、確保すべき医療機関機能が挙げられています。「高齢者救急・地域急性期機能」「在宅医療等連携機能」「急性期拠点機能」「専門等機能」、「医育及び広域診療機能」です。「医育及び広域診療機能」は、大学病院本院が担う、常勤医師や代診医の派遣、医師の卒前・卒後教育をはじめとした医療従事者の育成、広域な観点が求められる診療を総合的に行う機能です。
在宅医療等については、地域の医療及び介護資源等の実情に応じ、二次医療圏より狭い区域を設定することが適当とされています。
今までの地域医療構想で欠けていた外来機能や在宅機能、医療介護連携にまで対象を広めたのが、新たな地域医療構想です。まだ内容は漠然としたものですが、地域住人と地域医療にとって必要不可欠な医療機関だけが、将来存続できるのではないかと思います。脚下照顧して頑張っていきたいと考えます。
投稿日時: 2025-08-05 09:36:10 (26 ヒット)