2025年2月 巻頭言
巻頭言
御津医師会理事
吉武 信
岡山西眼科の吉武です。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
今まで医師会の活動についてあまり意識する事なく過ごしておりましたが、今年度から理事として参加させて頂き、毎月の理事会で各先生方の報告を拝聴し勉強させて頂いております。
現在インフルエンザが猛威を振るっており、ちょうどこの原稿を執筆している最中に岡山県におけるインフルエンザの患者報告数が過去10年で最多になったとのニュースを耳にしました。より一層体調管理に気を付けなければと気を引き締めております。
少し眼科の話をさせて頂きます。眼科の中のトピックスの一つとして、近視の増加があります。近視の割合は年々増加しており、特に若年層で顕著な視力の低下が起きています。学校保健統計調査によりますと、裸眼視力1.0未満の子どもは小学校で3割以上、中学校で約6割にのぼります。東京都内の小中学校では近視の有病率が小学生で76.5%、中学生で94.9%という結果だったとの報告もあります。現在ではスマートホン、タブレット端末等のデジタル機器が身近にあり、環境要因が近年の近視の増加に影響していると考えられています。近視の進行により、将来的に白内障、緑内障、網膜剥離、近視性黄斑症といった病気に罹患するリスクが増える為、近視の発症、進行予防が大事になります。近視進行抑制治療として、点眼治療、オルソケラトロジー、多焦点ソフトコンタクトレンズ、特殊眼鏡、レッドライト治療等、様々な治療法が検討されていますが、基本的な予防法としては「読書や書き物等、近見作業をするときは、少なくとも 30cm 以上離して作業すること、30 分に一度は遠くを見て連続させないこと」が重要になります。1日2時間、屋外にいることも有効と言われています。私事にはなりますが、小学3年生の娘がいます。実は、1年生の頃から近視が出始めました。ご多分にもれず、タブレット学習をしており、その流れで家でもタブレットを使用しゲームをしたりYouTubeを見たりで、注意をしてもなかなか止まりません。クリニックでは偉そうに話をしていますが、内心では子供に言う事を聞いてもらうのは難しいなと思いながら診療しているこの頃です。
眼科という立場から、医師会のお役に立てるよう努めて参ります。引き続き、御津医師会の諸先生方には、どうぞご指導ご鞭撻を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
投稿日時: 2025-02-03 14:20:31 (74 ヒット)