トップ  >  巻頭言  >  19代会長 中山堅吾先生  >  2021年9月 巻頭言

2021年9月 巻頭言

巻頭言

 

「オリンピックも終わったが」

 

平山医院 大森浩介

 

 はからずも今日8月8日夜は東京オリンピックの閉会式。コロナ禍での開催には、様々な意見が飛び交いご存じのように賛否両論であったが、結果的全体的に見れば、単純に「やって良かった」というものではなかろう。選手や関係者にとっては達成感や感動をもたらしたのだろうが、そうでもない大多数の国民には大きな負債を残したイベントであることは間違いない。感動や勇気希望を感じる場面もあったが、感じるのは大抵一時的であり、そのことが各個人の人生にどれくらいの影響を残せるのだろう。オリンピックは「平和の祭典」などと人類の明るい未来を連想させているが、前回の東京オリンピックの時の地球の方が、断然健全な状態に近いのではないだろうか。福島原発事故の問題もオリンピック開催の陰でうやむやにされているが、実際には現在進行中であり、先の見えない現場での対応が日夜続いている。台所の火事が完全に消えていないのに、客を呼んでパーティーをしているようなものだ。
 視点が大変マクロになって恐縮だが、コロナ禍は神様(あるいは地球と言い換えてもよい)が人類に与えた試練、批判を恐れずに言うと天罰のようなものではなかろうか。
 地球上ではこの数十年の間に人口はほぼ2倍になり、気候温暖化、海洋プラスチックごみなどの環境悪化、原発事故、各地での戦争や人権侵害などなど、良い方向に向かっているようには感じられない。地球にもし心があるならば、人類の振舞には困惑しているであろう。
 コロナ禍は地球が人類のあまりの無謀さに業を煮やして強硬手段に出たようにも感じるのである。
 コロナ禍は人類史上、最大の危機的状況のように言われるが、第二次世界大戦の犠牲者数は8000万人とも言われている。人類の最大の敵は人類そのものなのである。話が「時事放談」(若い人は知らないが、毎週日曜日朝にやっていた昭和のテレビ番組)のようになってしまい恐縮です。
 私事ながら、小生は2025年3月に医業引退を決意した旨申し上げます。後継者不在なら閉院になる見込みです。しかし、この猛暑をあと4回越さねばならないとは・・、きつい。
 

投稿日時: 2021-09-01 09:00:00 (178 ヒット)

印刷用ページ このニュースを友達に送る

これまでの巻頭言




TOPへ

サイトマップ