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2018年11月巻頭言

 巻 頭 言

 
御津医師会理事 清藤 哲司
  
 この度理事に就任しました芳賀佐山診療所の清藤です。7月の豪雨災害で被災されました医療機関の先生方には、謹んでお見舞い申し上げます。
さて、先日、健康寿命をテーマにしたNHKスペシャルが放送されました。のべ41万人のデータに基づくAIの解析によると、健康寿命を延ばすには、「運動よりも食事よりも読書が大事」だというのです。長野県は平均寿命の長いことで知られていますが、健康寿命が最も長いのは山梨県(「日常生活に制限のない期間の平均」が、2010,2013,2016年の平均値で男女とも1位)です。山梨県は人口当たりの図書館数が全国1位、図書館司書の配置率がトップクラス(公立小学校98.3%、全国平均59.3%)です。一方で山梨県民の食塩摂取量は全国1位、歩数は最下位レベルとなっています。
 山梨大学の調査では、旅行や近所付き合いなど、社会参加ありの人のほうが、そうでない人より健康長寿の傾向があるとの結果が示されています。
山梨総合研究所は、いくつかの項目と健康寿命との相関関係について分析しています。独居、就業、野菜・魚介・食塩の摂取量、スポーツ活動等で、明らかな相関関係を示すものはありませんでした。
 厚労省の健康日本21推進専門委員会では、今後の課題として、「現状では、生活習慣・健診成績・疾病などの要因のそれぞれが、健康寿命にどの程度の影響を及ぼしているかに関する定量的なデータが乏しい。今後、これらの調査研究を行うことにより、健康寿命の延伸・格差の縮小に向けた戦略を構築する必要がある。」としています。
 イエール大学の研究で、50歳以上の3635人を12年間追跡調査した結果、読書週間のある人は、ない人と比べて23カ月寿命が長く、死亡リスクが20%低下していました(Bavishi A, et al: Social science & medicine 164: 44-48, 2016)。
読書がもたらす健康上の利点としては、うつ病の改善、ストレスの軽減、アルツハイマー病の発症機会の減少などがあると、研究により明らかにされています。
 かつて山本夏彦は、「健康な人は本を読まない」と言いました(「本を読まない大衆に読ませなければベストセラーにならない」と続く)。本を読んで長生きしている人(私もそうなりたい)は、必ずしも生来健康ではなく、人生における様々な障碍を、読書から得た教訓などをもとに克服してきた人ではないかと考えられます。
 今回テレビ番組によって提示され、驚きをもって受けとめられた「健康寿命と読書の関係」について、今後さらに調査研究がすすみ、そのことが行政の施策に何らかの影響を与えることを期待しています。
 

投稿日時: 2018-10-31 14:13:56 (9 ヒット)

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