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2018年8月巻頭言

「自己紹介」
 
御津医師会理事 久保 俊英  
 
 この度新理事に就任致しました岡山医療センター小児科の久保です。新任であり、初投稿ということもありますが、御津医師会には小児科ご専門の先生が少ないということもありますので、今回は簡単な自己紹介と、最近の小児医療への私の関心事を述べさせて頂こうと思います。
 私は、昭和59年岡山大学卒業で、今まで高知県立中央病院、岡山大学、国立岩国病院、岡山市立市民病院に勤務してまいりました。専門は内分泌、とりわけ成長障害を専らとしております。医師会員名簿に、岡大同期の市木研先生と楠戸康通先生の名前を確認していたのですが、なかなか総会等で会えないでいたところ、7月号に楠戸先生の退会挨拶が掲載されており寂しい思いをしております。
 ところで、医療センターの小児科と言えば、救急を思い浮かべられるでしょうか。私もつい最近までは当直をこなし、現在でも日直には従事しております。ピーク時には年間約1万5千人の時間外患者が来ておりましたが、最近は時間外選定療養費の徴収や、ご開業の先生方の啓発もあって年間7千人前後と半減しており、救急業務もかなり楽になって来てはおります。しかし、マンパワー的には常に綱渡り状態が続いております。時間外選定療養費徴収開始にあたって、私が一番危惧したのは重症患児の受診遅れですが、幸いそのような事例は経験しておらず、その代わり救急外来からの入院率は以前の2倍強になっております。ただ、虐待児の受診抑制は大変気がかりです。児童虐待と貧困には強い相関があります。虐待児においては ただでさえ受診が遅れがちの所に更なる抑制がかかることを常に危惧しております。
 実際、岡山県の児童虐待への取り組みは他県に比べて決して進んでいるとは言えません。そこで、5年前に岡大病院・基幹病院の小児科部長と行政のスタッフを世話人として岡山県児童虐待対策協議会を立ち上げ、代表世話人を務めております。年2回、事例検討会と特別講演会を開催して少しずつ活動の輪を広げていっている所です。幸い県医師会からの助成や、基幹病院に賛助会員になって頂いて予算も付き、中央から講師を招いて実習を行うこともできるようになりました。今後は、ご開業の先生方や他職種にも輪を広げていくつもりです。
 幸い、御津医師会地区では3世代同居などもまだ多く、比較的子どもたちに皆の目が届きやすい環境にあるとは思いますが、虐待はどこに潜んでいるかわかりません。是非会員の皆様方のご協力を得て、御津医師会としても児童虐待への取り組みを行っていきたいと思います。
 

投稿日時: 2018-07-30 13:19:35 (619 ヒット)

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