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林望先生講演会

 日時 平成28年2月20日 13:30〜15:00

場所 岡山コンベンションセンター 3階コンベンションホール
 

参加 一般住民を含め295名

 
医師会)駒越、大橋、森脇、大森信彦、佐藤、津島、鳥越、中山桂、
   連携室)森、みつネット)成広、事務局)岡田、松尾
 
演題:「明るい晩年」に向かって
講師:作家・国文学者 林望先生
 
    
 今年度の一般市民向けの公開講座を行った。良く死ぬためには良く生きることが重要と捉えた終活についての講義となった。
 先生ご自身も最近にお父様の最期をご経験されたとのことで、そのお話を交えながらの講義であった。
まず「すごく励まされる本だ」ご紹介されたのは、アルフォンス・デーゲン上智大学名誉教授の著書「良く生き 良く笑い 良き死と出会う」という死生学の本で、この中で老いることは自然界からの挑戦でおる。挑戦には応戦しないといけないとの教えがあると話された。キューブラー・ロスの死の受容のプロセスの中には「否認」「怒り」「取引」「抑うつ」「受容」という5つの段階があると言われているが、アルフォンス・デーゲン教授はこの本の中でその次のプロセスに期待と希望があると説いているとお話され、死んでいく過程の中にも期待と希望を持って最期を迎えられるよう応戦するようにとお話された。
 また、先生のご友人である岡本和久氏(投資教育家・ファイナンシャルヒーラー)が著作の中で書かれているしあわせを持つための6つの「フ(富)」について紹介された。人生の目的はお金持ちになることではなくしあわせ持ちになることで、そのための6つの「フ」とは「ファイナンシャルアセット(金融資産)」、「フィットネス(健康)」、「ファミリー(家族)」、「フレンド(ほんの少数で良いので親友と呼べるような間柄の友人)」、「フィランソロピー(社会貢献、世のため人のため)」であるとのことであった。
 最後に、先生自身のご体験より、よく生きるために「減畜」することと、将来子供が「いい人生だった」と思えるような教育をすることで精神的な財産を残すようにと話された。「減畜」とは余生に必要のないお金を世の中にお返しすることであったり、自身の大切なものを大切な順に処分し、世に出していくことと話され、先生自身も沢山の蔵書の中から歴史的な史書などの大切なものから順にすでに処分されたなどとお話された。そして、残すべきは社会的な資産であり、子供の幸せにつなげることのできる教育だと話された。
 
 
 会場に集まった多くの市民の方からも大きな反響を頂き、その中には「大変参考になる講演だった」「今後の生き方の参考にしたい」という意見が多くみられた。また、冒頭の先生の嫌煙のお話から「家族に禁煙を勧める」といった感想もあった。今回は40代、50代の聴講者の方もおられ、まだ終活にはピンとこないが、という但し書きはあるものの、「子供の教育について考えさせられた」、といった意見も見られた。
 今回の講演を通じて、大切なことは最期をどう生きるかではなく、最期に向けてどう生きるかだということ学んだ。今後もリビングウィルや事前指示書の啓発など、死を考えてもらう機会も多いと思うが、今回学んだことを念頭に置いて業務に当たりたい。
(みつネット)
 

投稿日時: 2016年04月15日 (2904 ヒット)


津高一宮ネット全体会

日時 平成27年12月10日(木)19:30〜21:40 
場所 岡山市地域ケア総合推進センター多目的ホール 

参加者 

多職種116名 
(御津)駒越、大橋、大守、  連携室:森、 事務局:岡田
 

座 長:岡山大学医学部 疫学.衛生学教室 教授 土居 弘幸氏                                
【1・在宅ケアに関わる地域在宅医療・介護連携意見交換会】
テーマ:「多職種チームで在宅療養を支える〜事例から探る多職種能の役割〜」

症例1【87歳男性】
・本人が胃瘻造設を拒否する中、胃瘻造設し在宅療養2年6ヶ月経過した患者の支援について
・経口摂取困難で胃瘻を造設しない場合は看取りの段階となる。
・在宅を支える他職種は患者本人と家族に対して今後の予後予測・先を見据えた状況の説明、対応が望まれる。
・揺れる家族に寄り添いながら患者が穏やかな最期を迎えるよう、家族支援も重要とされるなか主に、主介護者に対してのみ行う傾向にある。しかし、クライマックスに大きく揺れ、本人の療養環境と介護者に大きく影響与えるのが、遠方に暮らす子供や親せきの存在である事も少なくない。
・参加した専門職の多くが胃瘻を造る意味について疑問を感じていた。しかし、現実を受け止められていない家族の気持ちを考えると胃瘻という選択も必要であったのではないかと感じる。
・寝たきりになり拒んでいた経管栄養をもって患者の生きる意味・周りからの評価等伝え、患者自身が有用感を持って療養できるように援助を検討する必要がある。

症例2【67歳男性】
・全盲、アテノーム型血栓性脳血栓の診断、高次脳機能障害 左半身マヒにより、ADLに支障を来している。
・担当医より施設以外の退院の可能性を否定されるが、在宅医の理解を得て在宅復帰
が実現。
・期待できない機能回復の元のレベルに近い生活の再建をめざして、配食・訪問介護・
通所介護を利用し生活が開催された。
・通所・訪問・配食サービスおよび家族の円滑連携の賜物。支援の連続性を感じるサ
ービズ利用により生理的欲求の充足に対応したプランを策定していた。

以上2症例を通じて「患者のQOL」を議論の中心に捉え、多職種がそれぞれの専門性を活かし、どう支えてゆけるか多職種で検討することができたと思う。 

次回:会場・未定
                                               (連携室)
 

投稿日時: 2016年02月08日 (900 ヒット)


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