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日本医療マネジメント学会 第5回岡山地方会学術集会での発表

日時:平成21年10月3日
場所:岡山国際交流センター
テーマ:「医療連携のあるべき姿を目指して」
発表:大橋 基 

地域医療連携 〜在宅を担う地域の開業医の立場から〜

御津医師会副会長(大橋内科医院院長)
            大橋 基

はじめに、基本的な問題意識としては、高齢化社会を迎え、治す医療から支える医療へのパラダイムシフトが起こりつつあると考えています。高齢者の機能障害は病気を治すという考えでは対処できません。機能障害を抱えた人の生活を支え機能を改善することが必要で医療はもちろんですが介護も重要になってくると考えています。障害を抱えながらも生き生きした生活を営める地域づくりが望まれていると考えています。そして、高齢者は診断も大切ですが、状態を正しく評価することがもっと大切です。1930年代に英国の老年科医マージョリー・ウォーレンが提唱した包括的高齢者総合評価(Comprehensive Geriatric Assessment:CGA)という考えです。 CGAの主な因子は1.医学的評価 2.身体的機能評価 3.精神的機能評価 4.社会的機能評価などです。老人医療においてはCGAとチーム医療こそが基本的骨格となります。病院に入院されたあと地域で療養生活を送りたいと望まれる患者さん、ご家族のご希望に応えるためには、退院時から在宅での療養生活を支える体制を整える必要があると考えます。 CGAを武器にきちんとしたケアアセスメントが行われそれに基づくケアカンファランスが行われ、多職種が同じ問題意識で協働でき、医療とケアが一体化して提供されるようになることが地域医療連携の目指すところです。実践のためには、ケアマネージャーの力量と医師の積極的な協力体制が問われています。そこで、御津医師会では昨年からケアマネージャーと一緒になってCGAを実践するためのアセスメントツールであるMDSの研修会を始めています。更に、今年春からは脳卒中の在宅へのパスの内容をケアマネージャーと一緒に検討し連携を図ろうとしています。病院でのチーム医療を地域での多職種協働へつなぎたいと考えています。患者さんのADLの改善QOLの向上のために、何が必要か、出会い話し合い分かり合う必要があります。現状を報告し、在宅を担う立場から医療連携を考えてみたいと思います。

 

投稿日時: 2009年10月21日 (1900 ヒット)

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