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2020年2月巻頭言

 巻頭言

 
「入院医療に休日はないはず」
 
平山医院 大森浩介
 
 昨日(12月29日)から医療機関は年末年始の休診に入ったが、皮肉なことにインフルエンザは年末を待っていたように猛威を振るう気配。元旦当番医の当院は、試薬や治療薬が足りるかどうか不安になる。毎年感じることだが、正月は本格的な寒さの始まりでもあり、疾患が急増する時期でもある。特に高齢者の発熱、呼吸器疾患はグンと増える。今回は曜日の配列の関係で1週間以上の連続休診になる医院も多いので、病院救急はなおさら大変なのではと想像する。
 総合病院などの救急医療は、年末年始も休むことはなく機能しているが、マンパワーはおそらくこの時期、かなり不足気味のはずである。しかしながら、である。急病・外傷の類は当然のことながら年末年始とは無関係にやってくる。心筋梗塞や脳血管障害のような待ったなしの急病・外傷は平時とほぼ同様に対応してくれる(はずである)が、準救急的な疾患(例えば、胆石発作など)は「十分な検査ができない、入院しても検査治療の予定が組めない」などという理由で休み明けまで自宅待機指示となるケースも多い。これには入院日数制限の仕組みも少なからず影響していると思うが、平時なら入院で対応してくれるケースも「様子をみて、悪化したらまた来てください」となってしまう。
 救急の現場は、このご時勢おそらく「戦場のような」診療になっているのでしょうから、文句は言えないが。
 しかし、医療の理想としては、外来はともかく入院医療は「休日はない」システムにするべきと考える。入院日数をいうならなおさらである。そもそも週休二日制+祝日の日数を考えると一年の三分の一近くは休日なのである。入院中でも休日とは関係なく、入院患者の検査や治療、あるいはリハビリをするべきである。そういう理念の病院があってもよいと思う。「人手不足でそんなことは到底できない」という反論を覚悟での勝手な提案であり、極論理想論であるのでお許しいただきたい。
 最後に、各病院の連携室・医師の皆様には日ごろ親切に対応していただいて本当に感謝しています。新年も引き続きよろしくお願いいたします。
 

投稿日時: 2020-01-30 12:55:34 (264 ヒット)


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