2020年9月巻頭言
巻頭言
新型コロナ禍(災厄)、報道、8月
医療法人 山中医院 宗盛 真
この巻頭言作成時は、都会だけでなく全国に新型コロナウイルス感染者が急増し、一部地域で医療崩壊に近づいています。岡山県でも連日の感染者発生やクラスター情報があり、テレビで行政などより報告されています。今回の私の巻頭言は、医師会員の方々には辟易されるでしょうが一般の皆様にも一医療従事者の考えを御一読いただけたら幸いです。
毎日、新型コロナ感染関連を最も多くの受け手が接触するテレビで放送されています。司会者、ジャーナリスト、元政治家、タレントなどで構成され、感染症専門医がコメント求められ、ほぼ同じメンバーで疾患の性質、感染状況、医療体制、政治、行政、個々の事例、それぞれの対応などを伝えています。今までマスメディアではほとんど登場することのなかった日本医師会、東京都医師会役員も出演されています。マスメディアは、社会や公共などに関する事についての情報を得、社会問題への意識を共有し、その問題解決をするために重要な情報源です。しかし、特にテレビの一部には、ポピュリズム、センセーショナルに報道し、イメージ的ドラマティックに構成されることが多く、ドラマを見ているようで本来の目的である現実危機意識が正確に伝わらないことがあります。今回の医師会役員のコメントを要求されたことは、体制政治批判で目的合致と対立構造を示すことでドラマ化したようにも映ります。しかし、最近では医師会役員や大学研究者、第一線従事者の露出減少し、それぞれの情報をパターン化できないとも考えられます。
未知のウイルスですが、このような災厄時には、歴史に記された過去の経験と健康を保つという抽象理念の科学が実践されることは周知とされ、適切な対応を必要とします。現在、危機的状態持続している中でありながら、周知されているとは言えず、科学者、医師会、一部の政治家より、皆様御覧のようにマスコミを通じて“お願い”している状況です。マスメディアの方々は科学、論理を理解されていると思いますが、自覚されているその大きな影響力で本来の目的である社会的役割と対応を希望します。
多方面に配慮され作成された新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA) は、8月18日で重複の可能性ありますが約1377万件ダウンロード(陽性者登録数301件)の報告がされています。アプリ利用率と接触者の対応などで効果は異なるようですが多くの研究機関が感染者数を減少させることができると判定されています。皆でこの世界危機的状態を情報選択、積極的周知、行動制限、保清、アプリ導入も含めなどをお願いします。
日本では8月は原爆投下、終戦で、この災厄も歴史に記されています。知らない、教育を受けていない、受けたけど忘れた、受けたかどうかわからない天真爛漫な子どもたち、大人たちを見ると体験者も減少し地域差や家族形態、文明など社会構造、実践の変化のなか、ますます教育やマスコミは、より多く正確に伝え周知する必要があると思います。
取り上げられることの少ないわれわれ医師会は、皆様方に心身の健康をご提供できるよう努めて参りますので引き続きよろしくお願いします。
投稿日時: 2020-08-31 14:33:54 (362 ヒット)