2020年12月巻頭言
巻頭言
五島眼科クリニック 五島 紳一郎
11月15日の山陽新聞によると、岡山県の新型コロナウイルス感染症は、新規患者12名を含め累計感染者数が、378名(14日現在)と掲載されてました。前日の13日は、新規が6名で、累計感染者数354名でした。死亡者10名及び退院患者259名を除くと、感染者数は、実質85名になります。つまり、累計感染者数は今後必ず増加していきますが、この数字のみに、過度に、不安や心配をもたないように、我々医療従事者は、正確な情報を患者さん等に、啓蒙していく必要があると考えます。
しかし、この新型コロナウイルス感染症の厄介な点は、発症の前に既に強い感染力をもち、誰もが自覚のないまま感染源になるということです。また、RNA型故に絶えず変異し続け、弱毒化も強毒化も変幻自在なこと。致死率が極めて高いわけでもないが、決定的に有効な治療薬、治療法も確立されてません。世界的な開発競争にあるワクチンも有効性や副反応などに未知数が残る事等が指摘されてます。
病態の解明や治療法に光明が差してきたとはいえ、対策は、マスク着用、手洗い、消毒、不要の外出自粛、三密回避が当たり前ですが、大事であると考えます。今もクラスター等が収束する気配もなく、そのうえ官邸、省庁、地方自治体の方針に一貫性がなく、それをマスコミが面白おかしく報道したため、国民の不安は、大きく掻き立てられ、巷には、どこかで感染が判明すれば、当事者に対する理不尽な差別、いじめ、風聞が起こる有様です。少なくとも、我が御津医師会の地域では、感染やクラスターが、発生しないことを願っております。
投稿日時: 2020-12-01 10:31:42 (298 ヒット)