２０２１年２月 巻頭言
巻頭言
御津医師会理事 鳥越昇一郎
早いもので年が明けて半月過ぎました。冬型の強い気圧配置により日本海側では大雪、太平洋側でも寒い日が続いております。
寒冷と乾燥、そして閉め切った環境下で新型コロナウィルス感染症が拡がりをみせています。その急速な拡大に対し、政府より緊急事態宣言が発令されました。日本医師会会長の中川先生も会見に臨まれ、その冒頭に於いて全ての国会議員に夜の会食を控えるよう要請されました。会食の自粛や不要不急の外出を控えることを国民に求めている為政者に範を垂れよとの仰せでした。
それにしても、第１波や第2波の時に比べて感染者の数は格段に増えているにも拘らず、緊張感が低い感じがします。報道されている都会の夜の映像にも多くの若者がみられます。２０〜４０代の青壮年では、感染しても軽症あるいは無症状の人が多いという今までの知見から、感染しても大したことはないだろう 自分とは遠いところの出来事だろうと捉えられているのかもしれません。
さらに英国のロンドンでは新規感染者の８割に変異ウィルスがみられ、市長は制御不能とコメントしています。南アフリカ、ブラジルの他世界各地でも確認され、日本に帰国した人にも、また渡航歴のない人への感染も指摘されています。
感染の収束を待って施行される筈のGo-to事業が早めに行われ、人々の気の緩んだところに変異ウィルスが絡む、という厄介な事態となっています。
岡山では現在のところステージ３の状況ですが、この感染症に対して何か一つでも良いことがあったかと聞いてみたところ、家族との時間が増えた 自分自身を見直す機会になった 普段の生活のありがたみがわかった等の回答もみられ前向きに捉えようとしている人もいます。
日々変化していく新しい感染症に多々戸惑いますが、英知を結集して何とか克服していきたいものです。
投稿日時： 2021-02-01 09:00:00 (331 ヒット)
