2022年 2月巻頭言
巻頭言
岡山中央病院 金重総一郎
岡山中央病院で院長を務めております金重総一郎と申します。会員の皆様、地域の皆様におかれましては、平素よりひとかたならぬご厚情を賜り、心から御礼申し上げます。
2021年も新型コロナに振り回された1年でした。今年こそは新型コロナを克服した年になればと思っていた矢先、オミクロン株の爆発的増加がニュースで報道されています。
しかし、それでも私は今年、新型コロナを克服した年になると信じています。なぜなら、ワクチン接種の効果、新規治療薬の開発により、重症者の増加を抑えることができだしたからです。残念ながら新型コロナウイルス自体、元々は風邪のウイルスで、感染力も強いため、感染者がゼロになることは望めません。しかし、季節性インフルエンザ程度の死亡率、重症化率に押さえ込むことは可能で、それを以て新型コロナ克服と考えて良いのではないでしょうか。実際、日本国内の新型コロナ感染症による死者は、昨年7月から12月の半年で4000人弱と以前の季節性インフルエンザと同程度まで減ってきており、ワクチン、新規治療薬の効果によりさらに減るのではないかと考えています。
長引く新型コロナによる社会への影響は計り知れません。飲食や接客業、旅行業への影響はもちろんのこと、特に行事が軒並み縮小されている小中高生、人と対面する機会の減った大学生など若者への影響を懸念しています。若い時代の経験や人とのつながりは、一生を左右する可能性があり、機会の減少にどこかで歯止めをかける必要があります。日本の明るい未来のためにも、新型コロナを克服しなければいけません。
さて、コロナショックも悪いことばかりではありませんでした。コロナのおかげでデジタルトランスフォーメーション(DX)の流れは急速に広がりました。例えばZoom会議などは当たり前になりました。我が国のデジタル化の流れは5年は進んだと思います。今後、少子高齢化社会でDXの流れは避けることができません。医療においてもDXは誰のためのものかを真剣に考える良い機会となりました。当院では、患者さんにとって便利でメリットが有るかという視点を大切にしています。これは「あなたと共に」という病院理念そのものであり、これからも大切にします。
それでは、これからも職員一同、患者さんの満足の創造に向けて邁進いたしますので、ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
投稿日時: 2022-02-03 10:03:33 (214 ヒット)