2010年1月 巻頭言

                                    御津医師会会長 菅波 茂
新春のお慶びを申し上げます。
岡山県の地域医療崩壊防止に関する提言をします。岡山市が政令市になった岡山県医師会の最大の使命は南北医療格差是正です。医師会にとっての地域医療とは「会員の生存権を保障し、地域住民の命を守ること」です。岡山県医師会抜本改正のため下記の5項目の実現を提言します。
1)岡山県医師会長と知事とのトップ会談の定期的開催:県民の生活を守る知事と県民の命を守る医師会長の相互理解と相互信頼が不可欠。
2)岡山県医師会理事数の南北格差の是正:現在の理事の多数が学術専門部会から推薦された県南(岡山市と倉敷市医師会)会員。県北の会員が理事業務を遂行する不適切な環境の整備。
3)会員の生存権の保障:医局による支援体制の崩壊後、医師会による会員の生存権の保障なし。
4)「地域医療」理事会の創設:健康保険法と介護保険法にもとづき地域医療現場を守っている郡市地区医師会長会議の昇格。「地域医療」は医療現場での地域諸団体との連携と信頼が不可欠。
5)危機管理体制の強化:県民の命を脅かす新興感染症、災害や空港事故等に対する体制不備。
御津医師会は岡山市北部と岡山県の中央に位置する吉備中央町を含み、南北医療格差問題を内部に抱えている地区医師会です。御津医師会「医療現場を守る」相互扶助プログラムを「会員の生存権を保障し、地域住民の命を守る」視点から実践してきました。「相互扶助」を原点として、多くの智慧と経験を学びました。この成果が岡山県の地域医療崩壊防止に役立つことを願い、上記の5項目を提案しました。その実現にお役に立てばと、塚本眞言副会長を次回の岡山県医師会理事候補として御津医師会決定をしました。ご理解とご支援をよろしくお願い申し上げます。
なお、2008年8月に発生したリーマンショック以後、長期的に経済・社会的混乱が悪化すればするほど、「会員の生存権を保障し、地域住民の命を守る」地域医療体制の緊急確立が必要とされます。岡山県医師会抜本改正への御津医師会の真摯な気持ちを理解していただければ幸いです。

投稿日時: 2009-12-29 13:38:50 (1465 ヒット)


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