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2017年1月巻頭言

        地域包括ケア時代と医師会の使命

                   御津医師会会長 大橋 基
我が国の医療はこれまで、先進医療の発展を軸に、世界のトップレベルの医療システムを誇ってきました。しかし急性期や、回復期、慢性期といった病床機能の区分を変えても、生活を支える医療や介護の状況が一変しない限り、少子高齢先進国の対応として、世界に誇れる体制には全くつながらず、むしろこれまで築き上げてきた財産を失うことになりかねなません。今後の医療の発展には未曾有の超高齢社会を踏まえて、医療を必要とする患者の様々な地域での生活を継続するために、「かかりつけ医」を核とした地域医療や介護体制のあり方が極めて重要です。昨年11月3日の御津医師会シンポジュムでも、「かかりつけ医」を持つことが問題解決につながることをお話して、具体的な地域での取り組みを紹介しました。
日本を支える社会資源は高齢者そのものであり、社会全体として日常生活のなかで医療や介護を活用して、自分らしい生活を送りながらさらに地域に貢献できるような、いわゆる「元気高齢者」を支援していく必要性が増しています。そのためには、生活に軸足をおき、必要に応じた医療・介護を提供できる在宅医療ケア体制の整備に、関係機関が協働しなければなりません。専門医主導によって医療が治すことを目的としてきた従前の対応を見直し、たとえ病気や障害を抱えても、地域で自分らしく生き社会に貢献できるよう、生活者を支える医療・介護を進めていく大変革の時代です。地域包括ケア時代としての今を受け止め、行政や住民の信頼を受けて地域支援事業の推進等に積極的に関わることが、地域医師会の役割の本質であることを認識しない限り、この時代を乗り越えることはできません。
地域医師会と 地域行政とが一体となって、地域の生活者の理解と協力を得て、多機関・多職種と共に、地域特性を踏まえた地域包括ケア体制づくりに取り組む必要があり、その一つの形として、「時々入院・ほぼ在宅、時には施設で」を具現化するためにも、「岡山市北部地域病診医介連携ネットワーク」を実りあるものにしていくという事を医師会活動の大きな柱としたいと考えています。新年にあたり会員諸氏のご理解とご参加をお願いする次第です。
(平成26・27年度日医介護保険対策委員会答申を一部改変して使用)
 

投稿日時: 2016-12-28 14:25:08 (760 ヒット)


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