2009年03月 巻頭言
御津医師会会長 菅波 茂
岡山空港航空機事故に対する御津医師会の対応が問われています。 幸いなことに、岡山空港が開設されて以来、航空機事故は一度も発生 していません。航空機運営に関与されているすべての人達の努力によ る賜物と思っています。
「天災は忘れた頃に起こる」のも真実です。危機管理は「最悪を想 定して最善を行う」です。最悪の状況が発生した時に、御津医師会は 何をすべきか。答えは簡単です。何ができるのかと逡巡するよりは、 まずは全員が空港に駆けつける意思決定を最優先することです。何が 起こるかわからない不確定要因が多い時航空機事故に対しては、会員 が事故現場に駆けつけることがすべての第一歩です。
災害医療はシステムです。トリアージ訓練は包括的システムの一環 として位置付けられます。注目しなければいけない、一番大切なこと は岡山空港の位置です。これほど岡山市内の救急医療を実施している 複数の病院群にアクセス可能な空港は日本では珍しいといえます。広 島空港とは決定的に環境が異なります。岡山空港に乗り入れている中 型の航空機の搭乗者数はジャンボ機ほど多くありません。事故被災者 の岡山空港から岡山市内にある救急医療実施病院群への迅速な輸送こ そ最優先課題です。岡山空港で事故被災者の治療を実施することは最 悪の選択肢です。
岡山空港航空機事故対策は岡山空港事務所でなく、岡山県の危機管 理担当官の包括的責任業務です。御津医師会の果たせる役割はその一 部分です。逆に言えば、全体計画あってこそ御津医師会の役割が明確 になります。
以上の認識のもとに、難波晃副会長の担当下に粛々と対応策を推進 していきたく考えています。会員の皆様のご協力をよろしくお願い申 し上げます。
投稿日時: 2009-03-27 20:56:55 (1661 ヒット)