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2021年5月 巻頭言

巻頭言

この1年を振り返って

御津医師会副会長 中村 毅

 1年前の2月末に当時の首相、安倍晋三総理大臣が緊急事態宣言を発令し、児童生徒の通学を制限しました。それからは小学生の我が子は自宅での自習を強いられ、また友達と遊ぶことも憚れました。そこで、私の仕事が休みに日には学校の時間割に即して45分間授業をしては10分休むような形で臨時の家庭教師をしました。笛の練習や歌など音楽をやったり、河原を走り、鉄棒で遊んだりと体育もやりました。自分が子供のころは余裕で出来たことが出来なくなっていることに愕然としたり、数カ月前に子供が出来なくなっていたことが出来るようになって嬉しくなったりと普段では味わうことが出来ないような体験をすることが出来ました。
 このように書くと、緊急事態宣言に感謝しているようですが、これはあくまでも怪我の功名。家族旅行は全く行けませんでした。また、私は耳鼻咽喉科の開業医ですが、3月は花粉症の方と風邪の方で診察室は混むことが多いのですが、花粉が飛ばないのか、子どもたちが自宅学習しているので風邪をひかないのか、はたまた感染が怖くて受診を控えているのか、患者さんの受診がとても減りました。顔の体温を測定するサーモグラフィーを導入し、以前から行っていた患者さんの診察が終わるたびに患者さんが触ったところを消毒することを徹底したり、寒いのですが常に換気を行ったりと院内感染のリスクの低減を図りました。また、雇用調整助成金を利用することでスタッフの雇用を維持しながら支出を抑えるよう勤務体制の見直しを行いました。
 11月からは「発熱患者等の診療・検査医療機関(仮称)」に手上げするかしないか、スタッフと相談し、悩みながら決定しました。そして、気が付けば1年たちました。
今年の春は後楽園のさくらカーニバルに行けるかな?と思っていた矢先に今年も中止の発表を聞きました。
 コロナウイルス感染症に対するワクチン接種は遅れてはいますが、始まりました。何とかコロナウイルス感染症が落ち着き、以前のように遊園地やショッピングセンター、居酒屋などをマスクなしで歩くことができ、昨年できなかった在宅医療介護連携フォーラムや地域医療学術シンポジウムが開催できることを祈りつつ、新年度を迎え気持ちも新たに頑張ろうと思います。
 

投稿日時: 2021-05-10 16:01:19 (301 ヒット)


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