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2017年6月 巻頭言

 有事医師派遣制度と遊事医師協力制度

御津医師会理事 駒越春樹
 
マーガレットが咲き始めました。入梅ももうすぐです。皆様お元気ですか。普段私たちは患者さんを治療する立場ですが、けがや、病気で診療を休まないといけなくなることもあるかもしれません。
 
ご存じだとは思いますが御津医師会には有事医師派遣制度があります。2008年にできたこの制度は病気やけがで診療ができなくなった時、月曜から金曜の午前中の診療を継続できるように代診医を派遣する制度です。3週間にわたり派遣を行い、その間に療養していただき、場合によってはその後の方針を決定していただく時間的余裕が得られることになります。また地域の人々には対象の診療所が診療を継続しその地域を守ってくれる、御津医師会はそれを支えてくれるというメッセージを伝えることができます。
 
現在までに私たちの医師会内で2回利用があり、それぞれ3週間以上代診を続けることが出来、その後の通常の診療に戻ることができました。自分の診療や、診療所を休みにして代診に行っても価値があると思えるほど感謝されました。2回とも依頼は急に来たのですが、医療センターの皆様のご厚意で最初の週の代診医を派遣していただきました。これは制度開始当時の三河内院長が、この制度に病院として独自に協力してくださるとおっしゃってくださり、継承してそれを実行してくださっているものと思っています。
 
2013年にはこの制度を御津医師会、赤磐医師会、北児島医師会と相互に助け合う協定に合意し調印しました。まず各医師会内で代診医を派遣するのですが、会内で埋まらない部分を他医師会に依頼します。赤磐医師会から依頼があった時には、御津医師会から数名の先生が出向かれ代診にあたられました。
 
最近電通社員の過労自殺事件から国では働き方の検討がなされています。わたくしたちの多くが自営業で管理者の立場にあります。働き方は勝手に決めればよいわけです。しかし訪問診療をしている場合24時間365日の対応を求められています。少しまとめて休みを取り遠方に出かけたいと思っても,躊躇したり、心配しながらになることがあるのではないでしょうか。現在すでに在宅医の中では病状で心配な人があるときには、その情報をホームページの会員のコーナーに入力しておいてお互いに助け合おうという申し合わせがあります。でも十分機能しているとは言えないと思います。年末年始、ゴールデンウイーク、シルバーウイークは避けて、年に1回1週間以内で安心して休みが取れリフレッシュできる「遊事医師協力制度」を考えてみてはいかがでしょうか。

 

投稿日時: 2017-05-30 11:49:42 (723 ヒット)


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