トップ  >  巻頭言  >  2016年度

2017年7月 巻頭言

 
 巻 頭 言

御津医師会理事 難波 晃 

巻頭言を書く機会をいただきました。今回は巻頭言にはあまりふさわしくないかもしれませんが私の最大の趣味である音楽、声楽について少し書かせていただこうと思います。

音楽に関しては御津医師会にもお好きな先生が大勢おられ、懇親会や「偲ぶ会」などで共演させていただき大変お世話になっております。
勝手なことで大変申し訳ありませんが、よろしくお願い申し上げます。

私は小さいころから音楽は大好きでした。幼少期はそれこそ春日八郎やフランク永井などのファンでしたが素人なりに音楽に目覚めたのは、大学に入って男声合唱団に入ってからです。

社会人になってからは合唱団を2つ経験しましたが、一つは岡山市民合唱団鷲羽、もう一つは岡山バッハカンタータ協会という合唱団です。
1985年小澤征爾の指揮により岡山の地でバッハロ短調ミサの演奏会が開催されましたが、それを契機にバッハカンタータの演奏を目的に結成された合唱団です。
指揮者には日本を代表するバッハスペシャリスト佐々木正利氏を迎え結成されました。今年がちょうど創立30周年に当たりますが、この間大小合わせ57回の演奏会を開催しています。

ほぼバッハ専門合唱団ですから、カンタータ以外にも4大宗教曲といわれる、「マタイ受難曲」「ヨハネ受難曲」「クリスマス・オラトリオ」「ロ短調ミサ」それぞれ複数回の演奏会がありますが、指揮者もヘルムート・リリンク、ペーター・シュライヤー、ヘルムート・ヴィンシャーマンといった世界に冠たる大音楽家の指揮での演奏会があります。

4大宗教曲になると演奏時間も2時間以上のものが多いため、演奏する方も聴衆のお客様も結構スタミナが必要で、終演になるまでがなかなか大変です。それでもたとえばヨハネ受難曲で最後の2曲、「イエスよ安らかに眠りたまえ」「あ―主よ、最後の時、愛すべき天使の手でその魂を父なるアブラハムのもとへお運びください」と歌うとき、クリスチャンではない我々でも本当に敬虔な涙がでそうな感動を覚えます。

私はその曲が始まるときいつもヨーロッパの、例えばケルンの大聖堂やウイーンの聖シュテファン大聖堂、また名も知れない小さい教会でも構いませんが、ミサが行われ、コラールが歌われステンドグラスの隙間からさす光がまぶしい中、天使たちに見守られたイエスが静かに昇天し父のもとに帰る、といった光景が浮かびます。こういった感動はやはり、マタイでも、ロ短調ミサでも同じように味わうことはできます。それは本当に音楽をやったものでないとわからない素晴らしい瞬間と思っています。

昨年は3月に、現在の岡山フィルハーモニック管弦楽団常任指揮者、ハンスイェルク・シュレンベルガー氏指揮でブラームス作曲「ドイツレクイエム」の演奏会がありました。この演奏会は岡山・東京・仙台・盛岡・山形の五か所で演奏されましたが、ステージに立った者は、またこの喜びにひたることができました。いずれにしても演奏会での感動は、それを演奏するもの全員(マタイやヨハネでは150~200人)が指揮者の1本の棒のもと、息をそろえ精魂込めて演奏することで、初めてその喜びを得ることができるものと考えます。

私たち御津医師会においても、本当に患者さんのためを考えれば結局やるべきことは一つかなと思う次第です。

 

投稿日時: 2017-07-10 10:31:43 (809 ヒット)


« 1 ... 8 9 10 (11) 12 13 14 ... 24 »

これまでの巻頭言




TOPへ

サイトマップ