2024年2月 巻頭言

巻頭言

御津医師会理事  金重 総一郎

 岡山中央病院の金重でございます。本年もよろしくお願いいたします。
 新年早々から能登での地震という試練に見舞われ、被災地の皆様には心からお見舞い申し上げます。被災地の一刻も早い復興を心より願っています。
 また、被災地を支援されている医療チームの皆様には頭の下がる思いです。私個人としても、病院としてもできる支援をしっかり行いたいと考えています。

 さて、皆様もご存じの通り、御津医師会地域では高齢化がますます進んでいます。介護が必要になる高齢者も増加しており、一人暮らしや老老介護の方も多くいます。病気にかかると自宅に帰ることが難しくなるケースも増えています。介護の手があれば、往診や訪問看護も利用できますが、実際のところこれらのサービスは市内中心部のように十分な提供がされていません。介護の手が無ければ、地域包括ケア病棟や療養型病棟、介護施設が必要となりますが、連携が十分に機能しているとは言えないのではないでしょうか。

 また、高齢者には看取りの問題も発生しています。老衰と考えられる方が救急車で心臓マッサージを受けながら救急外来に運ばれてくることもありますが、これは患者、家族、医療者、救急隊、誰もが幸せではない状況です。高齢者が弱ってくると、緩和ケアの考え方と同様に、本人や家族への説明、教育、納得が必要だと最近考えていますが、その啓発が不足している状況です。

 医療業界も人手不足が深刻化しており、将来的には10年後を見据え、御津医師会地域の高齢者の医療と過ごす場所について検討しておかなければ、医療が十分に提供されなくなる可能性が懸念されます。

 そこで今年、当院は難波会長をはじめ、御津医師会の先生方のご意見をいただきながら、地域の高齢者が安心して暮らすために必要な施策を検討していきます。医療と介護の垣根を越えた検討が必要であり、一筋縄ではいかないと認識していますが、医師会の皆様、地域の皆様のためにも是非進めていきたいと考えていますので、ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

投稿日時: 2024-02-07 12:35:33 (293 ヒット)


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