2016年3月 巻頭言
御津医師会会長 駒越春樹
2012年秋に岡山県から委託を受けた、在宅医療連携拠点事業がこの3月で終了します。森脇前会長の時から3年半にわたり、大橋副会長を中心とする津高一宮ネット、金川病院院長の大森理事を中心とするみつネットで、それぞれの地域のニーズをどう解決していくのか考えてきました。各ネットには、コア会議と全体会があります。コア会議は医療・介護にかかわる多職種の方々や、行政の方で構成されています。この会議では、みんなが少しずつ考えていたことが、あるところで新しく加わったメンバーの発言をきっかけに、一気にまとまり進んでいくことがあり、わくわくするような驚きと高揚感がありました。また全体会では、さらに地域の方々にも加わっていただきました。医療介護の多職種と地域の方々との顔の見える関係が強くなり、地域の実情を教えてもらったり、問題点の理解を深めていただいたりできたのではないかと思います。2025年に向けて地域包括ケアシステムの構築、地域づくりを急がないといけません。建部、足守、高松地区も独自の取り組みがあるかと思います。今後、各地区で在宅療養を進めるためには、多職種の連携を進めていく必要があり、地域と医師とのより深いかかわりは避けて通れないと思います。
連携拠点事業の最後の大きな事業として、2月20日国文学者の林望先生(リンボウ先生)の講演会をコンベンションホールで開催しました。「『明るい晩年』に向って」という題でお話しいただきました。300名近い方の参加がありました。絶対的不確実性で予見できませんが、確実に死は迫ってきます。死を受容し、加齢により降りかかる挑戦にどう応戦していくか、財務、運動、家族、友人、趣味、社会貢献などの話がありました。そして「個々の持つ精神的な財産を、次の世代に伝えることができると、いい生き方ができたと満足して生を終えることができる」という感銘深い、また生活に取り入れたいと思う内容でした。
さて3月5日に臨時総会を開催します。定款では「役員の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時総会の終結の時までとする」となっています。このためこれまで県医師会や行政の開く会議などで、しばしば年度途中での交代となりました。今回は、間もなく始まる新年度に向けて、次期役員を決定し、よりスムースな引継ぎが可能になると思います。ご協力をお願いします。また定時総会は5月21日です。会員の皆様は万難を排してご参加ください。会員同士の尊敬と信頼は、まずは会ってご自分の目と耳で確かめることから生まれるのではないかと思っています。医師会の活動に対してご意見、ご提案をいただきたいと思います。
以前は全員参加が恒例でした。再び、年1回の定時総会に会員の先生が皆様お集まりいただくことができれば、私にとってこの上ない幸せです。楽しみにお待ちしたいと思います。
投稿日時: 2016-02-29 12:03:30 (678 ヒット)