2018年7月巻頭言

巻頭言
 
御津医師会副会長 山下 浩一 
 
私が楢津で開業して満30年になりました。瀬戸大橋が開通した年で、田んぼの中の一軒家状態でした。院前の県道も一宮高校までで、芳賀佐山団地も現在の二分の一から三分の一でした。今では、県道は国道53号に連絡し、岡山市が政令指定都市になり、プロサッカーチームも出来ました。
 30年で医学、医療も大きく変わりました。ピロリ菌が胃炎・胃癌の原因菌と判り、治療除菌が進み、胃炎が減った為、逆流性食道炎が増加しました。C型肝炎ウイルスが発見され、治療が進み、肝炎はウイルス肝炎(B型C型)の時代から脂肪性肝炎の時代になりました。胃癌は減少し、肝癌・乳癌の方が多くなりました。
 外科手術も、開腹手術から腹(胸)腔鏡、内視鏡等の鏡視下手術が増え、ロボット手術の時代が近づいて来ました。
 婦人科では、頸癌の原因がHPV(ヒトパピローマウイルス)と判明し、ワクチン治療まで出来る様になりました。子宮頸癌と体癌の比は、20:1(40年前)から10:13になり、体癌患者さんの方が多くなりました。卵巣癌は卵管癌から転移したものが大部分である事が判り、排卵した卵胞液や月経血の逆流が卵管癌の原因と考えられ、排卵を抑え、月経量を減らす低用量ピルが卵巣卵管癌を減少させるのではないかと考えられています。子宮頸癌は2000年頃までは減少してきましたが、2000年以降は患者数、死亡数ともに増加しています。頸癌検診率(受診率22%)が低いのと、頸癌ワクチンの推奨が取り消されたのが大きな原因です。
 団塊世代(昭和22〜24)が日本経済を引っ張って来たのですが、若い世代の人口が減少し、定年後も働き続けなくては日本が成り立たない世の中になりました。
 医師の治療する疾患も、感染症から老化に変わり、100歳まで健康に生活出来るのが目標です。医師会活動も住民の皆様と共に変化し続けなくてはならないと思います。
 

投稿日時: 2018-06-28 13:43:52 (38 ヒット)


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