2014年7月 巻頭言

                   地域包括ケア実現のために
                                                             御津医師会副会長 塚本眞言 
 超高齢社会におけるわれわれ開業医の役割は、単に医療を提供することだけではなく、医療を通じて全人的なかかわりの中で生活支援を行うことであります。
 厚労省は介護予防事業も見直し、「多様な主体が参入し、地域の実情に合ったきめ細やかなサービスを拡充するため」に見守り・配食など生活支援活動を支えるコーディネーターを市町村に配置し、2015年度から3年程度をかけて、要支援者向けのサービスが、市町村独自の裁量で行うことができるようにするようです。
 幸い、御津医師会には「医療現場を守る相互扶助プログラム」の一環として地域住民と共に毎年「シンポジウム」を開催し、いわゆる顔の見える連携が構築されています。このことはこれからの超高齢社会においても医師会、地域住民、行政が三位一体となって行動することができる基盤が確立されており、高齢者が積極的に社会活動に参加し、生活支援の担い手となって支援が必要な高齢者を支える社会を実現できるものと考えます。
 小生の日常生活圏域は吉備中央町の円城小学校区(住民人口1,352人、高齢化率42.5%、小学校児童数59人)です。地域を病棟ととらえ医療や介護の連携する体制を構築するため、昨年7月より、住民主体の組織(名称:円城安心ネット)を立ち上げ、30人の役員(住民会長、公民館長、小学校長、PTA会長、地域包括支援センター長、社会福祉協議会事業所長、警察官、安全パトロール隊事務局長など)を中心に、毎月1回会合を開き、各地区での困り事などに対応したり、町民講座を開催したりしています。今後はNPOとして、元気高齢者と介護予防対象者を分け隔てなく、住民運営の通いの場(たとえば認知症カフェなど)を充実させ、人と人とのつながりを通じて地域づくりを推進するつもりです。

投稿日時: 2014-07-01 12:28:35 (731 ヒット)


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