2014年11月 巻頭言

御津医師会副会長 大橋 基 

 最近いろいろな場面でコミュニケーションギャップを感じます。相手を理解し、自分を理解していただくのは難しいものです。人の話を”きく”という場合に次の三つの漢字を思い起こします。聞く・訊く・聴くです。相手の話を聞く、診断のために話を訊く、心情を理解するために相手の話に耳を傾け訴えを聴く。
 意外に出来ていないのが聴くということです。聴は「ゆるす」とも読めると教えていただいた、今は亡きCOMLの辻本氏も大切なのは「訴えを傾聴することである。」と言われていました。この関係性があれば余りトラブルは起こりません。敬愛する故田坂先生も「結果を保障できない不確実な医療を受けていただくには、絶対的にコミュニケーションが重要である。」と言われていました。聴くだけではなく、相手に理解していただくこともさらに重要と云う事です。皆さまの診察室ではうまくコミュニケーションがはかられていますでしょうか?
 内田樹先生によるとコミュニケーションを妨げるものはこだわり、プライド、被害妄想だそうです。つまり、こだわらず、良く笑い、いじけないというのがコミュニケーションを妨げないコツです。いずれも小生に欠けている部分なので気をつけてはいますが難しいです。皆さまも今一度日常診療の中でのコミュニケーションにつき思い起こしてみてください。
 患者さんに好感をもたれた医療者のコミュニケーション態度はつぎの4つ
  1、患者さんの訴えに共感を示した
  2、会話を続けるように促された
  3、終わりに近づいたら他に何かありませんかと確かめられた
  4、こちらの訴えを要約してくれた
 そして、絶対にやってはいけないことが次の2つ
  1、突然会話を遮る
  2、医学の専門用語を多用する
ということだそうです。いかがでしょう?
 これをお読みいただいたのを機会に、今一度コミュニケーションについて考えてみていただけたら幸いです。
 御津医師会内でのコミュニケーションもうまくゆきますように願っています。 

投稿日時: 2014-10-31 17:38:41 (848 ヒット)


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