2025年12月 巻頭言

巻頭言

御津医師会理事 宗盛 真

 御津医師会で感染症の一部担当をさせていただいております。
昨年は、年末年始(2024/25)にインフルエンザ感染者数が急増し52週に全国的(岡山市も同様)に定点あたり60を超え、御津医師会医療圏内でも限られた診療時間での長い待機時間、解熱剤、鎮咳剤、インフルエンザ治療剤など薬物やインフルエンザ検査キットの供給不足などにより患者様担当者様に大変なご迷惑をおかけしました。
 御津医師会では、岡山市保健所との医師会岡山市保健所感染対策協議会、岡山県医師会との新興感染症に対する医療提供体制調整協議会などに参加、感染症知識とともに限られた資源での様々な感染症に対応できるよう協議、各医師会員に伝達して医師会内でも検討し、岡山市や岡山県などと再度協議しています。しかし、COVID19後5年経過しましたが未だに正確な知識現状把握、早い情報の伝達と医療体制づくりが確立されているとはいえません。
https://www.pref.okayama.jp/page/565068.html
岡山県感染症(週報、月報)
https://www.city.okayama.jp/kurashi/0000008327.html
岡山市感染症発生動向(岡山市感染症情報センター)定点把握疾患(週報告)
https://news.web.nhk/news/special/infection/dashboard/index.html
NHK感染症データと医療・健康情報など手軽に感染状況は我々個人で手軽に得ることはできておりますが、約1−2週遅れの情報であり、岡山市、岡山県では、迅速で正確な感染状況が伝えられるよう媒体を含めた伝達方法や感染データ収集法など模索が始まったばかりです。
 日本では、2025年4月に日本版CDCアメリカ疾病予防管理センターとして国立感染症研究所と国立国際医療研究センターを統合し国立健康危機管理研究機構(JIHS)が設立されました。しかし、迅速で正確な感染状況経過の情報提供は地方発信が必要で完全とは言えません。東京や広島のような岡山版CDCの設立を期待しています。
 また、われわれ医療従事者は、科学的データや正書、その状況時の解釈に大きく誤解することはないと思いがちですが、一般の方々との乖離をよく感じます。一般の方々の情報源は、限られており発信者の意思も含まれ、それをわれわれは説明する義務があります。最近では、いずれもある意味質の高いCOVID19の科学的根拠について経済学者からの政策評価書発刊やコロナワクチン後遺症などを伝えた映画公開とそれらをマスコミがコメントしています。それらについて当時のCOVID19当事者が対応する機会がなく、一方的でお米問題同様です。そのためにもわれられ実地医療者は、データを早急に担当行政機関に報告し、JIHS、地方行政の発信が直接一般の方々に直接正確に伝わるよう、その経過と総括されること願います。これからの気候や年末年始のため昨年同様の感染状況が考えられ、現状では世相の変化は困難で対応するばかりです。
 

投稿日時: 2025-12-12 10:28:19 (10 ヒット)


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