2020年3月巻頭言

 巻頭言

 
或る開業医の「地域医療妄想」
 
森脇内科医院  森脇 和久
 
 「開業医の4人に1人は週60時間超労働、月80時間の時間外労働、1/4が過労死ライン」、「開業医の2割が辞めたい。この働き方を次の医師に引き継がせたくない」等々、神奈川県保険医協会の「開業医の働き方」調査におけるショッキングな結果である。大いに納得しながらも、“これでいいのか?”と、ふと考える。
 “地域住民とともに生き、地域医療に貢献しよう”との覚悟で開業医の道を選択しながら、いまさら「開業医の働き方」に疑問を感じ「次の医師に引き継がせたくない」との考えに同調する自分にただただ恥じ入るだけであるが、しかし現実である。
 「持続可能で安心できる地域医療・介護体制を構築していくためには、地域医療構想を実現していくことが不可欠」との安倍首相の強い決意、この地域医療構想での開業医の立ち位置はどこにあり、求められる役目はなんであろうか。
 
 国の地域医療構想はさておき、ここからは妄想である。
キーワードは“∧の集約化と大型化、▲錙璽ライフバランス(仕事と生活の調和)を重視した就労の多様性と協働(一つの仕事を分配、ワークシェアリング)と考える。
 ,糧∧は急性期病院(重症感染症、事故、災害等の救命救急に特化)、専門病院(癌治療、循環器・呼吸器、消化器等の専門医による治療)、老人病・フレイル対象病院(ときどき医療、ほぼ介護,看取り)、固定型または自動運転移動型外来診療所(生活習慣病の健診・予防・治療、訪問診療、在宅看取り)の四形態とする。概ね65歳以上の医師は特定の一つの施設に属さず、基本はフリーとし、自由に就労場所・時間を選択できる。かかりつけ医、開業医という名称はなくし、“フリー地域医療妄想医”としてネットワークを形成し、主として老人・フレイル対象病院、外来診療所でお互い連携しあいながら自由に働く。
 この地域医療妄想圏は、地域包括ケア実施可能区域とし、医療実施母体は「地域医療妄想会議」とする。参加希望者はすべてこの会議に申請登録する。すべてのマネージメントは「地域妄想会議連携デスク」(地区医師会、施設、地域住民の各々代表者とAI)によって行われる。登録された“フリー地域医療妄想医”は地域における医療・介護連携の要として自由かつ大胆に、責任をもって仕事をしなければならない、しかし、その身分と生活は生涯保証される。この妄想事業にかかる費用はすべて「・・・・・・・」が負担する。
 
 以上はすべて、しばらくは実現不可能な、或る開業医の妄想である。
 

投稿日時: 2020-02-27 15:10:28 (18 ヒット)


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