日 時:平成26年2月2日 14:00〜16:00
場 所:さん太ホール
講 師:医師・作家 久坂部 羊 先生
演 題:『望ましい自然死のあり方〜在宅での父の自然死〜』
参加者:300名
御津:森脇、塚本、駒越、大橋、大森、難波晃、佐藤、連携室:成広・冨田・岡田
今回「廃用身」などのミステリー作家で医師の久坂部羊先生に終末期医療についてのご講演をいただいた。
先生は大阪の堺市で訪問診療専門のクリニックに勤められ、また著書の中では、終末期ケアの在り方や医者と患者の関係性について言及されている先生であるが、今回は平成25年8月にご自宅でお父様を看取ったご経験をもとに医師としてまた患者家族としての視点でお話して頂いた。
もともと過剰な治療について批判的であったお父様は自分自身が糖尿病や白内障、前立腺がんを患った際に、最低限の治療についてのみ受け入れ、ストレスが身体によくないと自分の思った通りに在宅療養を続けていた。
先生始めご家族もお父様の性格をよく理解した上で、無理な治療もすすめず、それを親孝行と考え、お父様の意見を尊重し療養を続けさせていた。
先生はお話の中で、治療をするのが嫌、しかし病気が悪化するのも嫌だというのは不可能なことであり、お父様も治療を拒否する代わりにいつ容体が悪くなっても仕方がないという覚悟を常に持ち続け、また家族としても一緒に覚悟をしていたという。
患者本人が治療を望まないと言っているにも関わらず、患者に治療を受けてもらいたいという思いの中には患者を大切に思う気持ちが入っているのはもちろんであるが、半分は家族の死んでほしくない、死んでしまったら寂しいといった様なエゴから治療を勧めているのではないかと話された。
今回の講演会へは先生の著作のファンの方や、看護学校の学生、また在宅で多くの看取りを経験した専門職の方など多岐にわたる方が参加して下さり、看取りという重たいテーマの講演であるにも関わらず、心のあたたまる良い講演だったと多くの方に声をかけていただいた。
(連携室)
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