在宅連携拠点事業「平穏死10の条件」講演会

投稿日時 2013年04月17日 | カテゴリ: 2012

日時:平成25年3月2日(土)14:30〜16:30
場所:岡山ロイヤルホテル
講師:長尾クリニック・長尾和宏先生

参加者:計105名
地域住民、介護関係、医療関係、岡山県、岡山市等
御津医師会:森脇、塚本、駒越、鳥越、大橋、深澤、須江、大森、須藤、難波経豊、
宗盛、 連携室:成広、冨田、久山、 事務局:岡田


 

 土曜日の午後という時間設定にもかかわらず、105名に参加いただきました。
 一般の市民の方を対象に、在宅での療養・在宅での見取りなどの在宅医療はどのように行われているのかと、ご自身・ご家族にとってどのような最期が望ましいのかについて考えていただこうという試みでした。
 病院勤務医の時代に数百名の死を看取った時の様子と、在宅医となって約700名の方の死を看取っての感じは明らかに異なっていて、在宅で必要最小限の医療介入しかしなかった方が、安らかな最期を迎えられる方が圧倒的に多かったということを経験されたそうです。
 終末期(現在も定義について議論が行われていますが、ある程度共通の認識はできつつあります。一応、いろいろな治療に反応せず、このまま何もしなければ、生命の危険が迫っている状態と考えられる時期とします)に濃厚な治療は功を奏さず、むしろ患者さんを苦しめる場合もあります。
 食べられなくなったら点滴・胃瘻という考えは少し改められるべきで、体が必要としなくなった水分を無理やり入れてもあふれるだけで、痰が増えたり、腹水・胸水がふえたり、浮腫が悪化したりと、むしろ状態を悪化させることもあります。それよりも軽度の脱水状態のほうが穏やかに過され、余り苦しまれずに最後を迎えられる場合がほとんどです。
 病院は病気を治すところです。残念ながら治らない病気、病期は存在しますし、人は皆最後には亡くなります。治らないとなったときに、病院よりは在宅のほうが自分の自由な時間が過ごせて、その人らしく生きられる場合を数多く経験されたそうです。緩和ケアをしっかりやれば、病院、ホスピスといった施設でなくても穏やかな最期を迎えることは十分可能です。むしろ在宅ホスピスという考えで、自宅での療養を積極的に進めている人たちも増えています。
 一人でも最後まで自宅で療養することは十分可能になっています。むしろ家族の希望で病院、胃瘻、となる場合がほとんどです。家族、特に一緒に住んでいない方の、最後くらいしっかり医療を受けさせたいとの考えで、救急車で病院へというケースが後を絶たちません。そのことについて「平穏死という親孝行」という本を書かれています。
「穏やかな最期を望んでいた人にはゆっくりとしっかりと寄り添う医療こそが最善の医療の在り方ではないのか」という、平穏死、尊厳死について考えてこられた先生の思いを聞かせていただきました。
 講演終了後に短い時間でしたがお話ができました。
 その際に御津医師会の取り組みをお話ししましたところ、ご自身のブログに取り上げていただきました。ご参照ください。                          (大橋) 
  http://www.nagaoclinic.or.jp/doctorblog/nagao/2013/03/post-3014.html  

 






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