第3回 御津医師会「地域医療」学術シンポジュム
“認知症を地域でいかに支えるか”
日時:平成23年10月22日(土)16:00〜18:00
場所:リーセントカルチャーホテル
出席
地域住民・大学・病院・介護・県市町関係・御津医師会等 約170名
「見放さないその命・地域医療を守る御津医師会」をキャッチフレーズに、医師会として様々な活動をしています。学術シンポジュムもその一つで、「医療・介護等に関する地域の情報をみんなで共有したい」という目的のもと、地域住民、行政、医療、介護従事者の皆様に集まっていただき、年に一度開催しています。この度も、10月22日リーセントカルチャーホテルにて、“認知症を地域でいかに支えるか”というテーマのもと、後述の5名の講師の方々に講演いただき、参加いただいた約170名の皆様と活発な意見交換が行われました。
1) 岡山医療センター神経内科,真邊 泰宏氏は、「認知症の医療」と題し、認知症の 早期での適切な診断と、治療の必要性を述べられるとともに、医学的アプローチ単独では限界があり、医療・福祉関係者を含めた多角的な取り組みの必要性を指摘されました。
2) 万成病院作業療法士、楢原 伸二氏は、自分の母親を介護された経験をもとに「認知症の介護」と題し、「認知症の方も今を懸命に生きている。一人ひとりの個性を重視し、ありのままのその人を尊重し、その人ならではの生活が送れるよう地域の理解と協力が必要である」と訴えられました。
3) 真庭医師会、作本 修一氏は「真庭市認知症地域支援推進ネットワーク構築の近況」と題し、医療機関の7割が認知症相談医として医療分野でのネットワークを構築、介護職との事例検討会、地域住民との「徘徊模擬訓練」の実施など、岡山県で最も進んでいる地域連携の現況を発表されました。
4) 認知症の人と家族の会、岡山県支部代表、妻井 令三氏より、「家族の会の意見」として、医療・介護従事者、地域包括支援センター、行政等への具体的な要望がなされ、これら多職種に家族会を含めた有機的な連携が重要であることが指摘されました。
5) 岡山県医師会理事、御津医師会副会長、塚本 眞言氏は、「地域における認知症高齢者支援体制」として、認知症疾患医療センター(認知症専門医療の提供)、地域包括支援センター(認知症連携担当者を配置)、かかりつけ医、介護職等が連携し、本人・家族を支援するネットワークを早急に構築したい旨を述べられました。
以上の講演の後、異口同音に語られた感想は、「認知症本人、その家族の悩み、苦労は十分理解できる。しかし、そのあとどこに相談すればよいのか、どうすれば状況が改善されるのか、情報がまったく不足している。今日参加した皆が連携し、患者・家族を地域でささえる仕組みをはやく構築し、敷居の低いだれでもすぐにアプローチできる体制が必要である」ということでした。
(森脇)
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