日 時 : 平成25年4月11日(木)15:00〜16:00
対象者 : 田益高齢者クラブ会員
会 場 : 田益協栄会館
参加者 : 30名
講演者 : 大橋 基 理事
終末期、例えば、癌の末期とか高齢になり食べられなくなって、もうあまり永くはないといわれたとき、さてどこで最期を迎えるのがいいのかについて一度考えてみませんかというお話をしました。
目の前の岡山医療センターは設備の整った立派な病院ですが、高齢の方やがんの末期の人が安らかに最期を迎えるべき場所であることを目指していません。あくまでも病気と闘う場所であるべきと考えられています。
最後まで病気と戦い続けて最期を迎えるという選択肢もありますが、 ある年齢で、食事を受け付けなくなったり、飲み込めなくなったりした場合に、人工呼吸器とか胃瘻とかをつけて生きることを選ぶのか、最後はゆっくりと安らかな最期を選ぶのか、元気な今考えてみることは大切です。どのような選択がなされても我々は全力で支えるつもりはあります。おまかせして、結果が悪いとこんなはずじゃ無かったと後悔しないようにあくまでも自分で考えて自分で決めて自分で責任を取るという態度が尊いのです。意識がなくなったり、認知症がひどくなって決めることができ無くなってからでは遅いのです。今考えてみましょう。
介護保険が始まって10年以上たって、たった一人でも最後まで自宅で 過ごすことも可能となってきました。食事、排せつ、入浴などもサポートしてもらえます。在宅医療に積極的な診療所の先生は往診してくださいます。24時間対応の訪問看護ステーション(看護婦さんが自宅に来てくれます)もできています。
病院や施設だけでなく自宅で最期を迎えることは十分可能になってきました。御津医師会地域連携室が作成したリーフレットには簡単な解説と困った時の連絡先が記載されています。一度お読みいただいて、自分なりの気持ちを整理してみていただけたらと思います。“QOL×時間”を最大化することが満足度をあげることになります。
今までは時間が大切と考えられていて、少しでも長く生きている(心臓が動いている)ことが良いとされてきました。しかしここまで高齢化がすすみ、癌でなくなる人も増えてきますと、 時間も大切ですがQOL(生活の質・その人らしく生きる)を充実することで全体的な満足度(いい最後だった、いい人生だった)を上げることも考えるべき時代になったのだと思います。一緒に考えていきたいと思います。
(大橋)
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