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2008年6月 巻頭言

御津医師会会長 菅波 茂

2004年10月24日にジュネーブにある国連難民高等弁務官の本部でプレゼンテーッションを実施した。要望された演題は「アジアのNGOは何故に人を助けるのか」だった。国連難民高等弁務官と欧 米のNGOはキリスト教を基軸にした共通の精神風土があった。

 「友人のため」と私は切り出した。「友人は利益も不利益も共有する人間関係である。友が困った時に、共に問題解決するのが責務である。問題解決の過程において、友に素晴らしい点を見たときには尊敬の念が起こる。どんなに困難が著しくなっても、友が決して逃げ出さないことがわかった時には信頼の念が起こる。この尊敬と信頼の人間関係がアジアの多宗教、多民族、多文化などの問題を越えて多様性の共存ができる。だから、アジアのNGOは友を助けるのである。友人 関係が困難を共にするパートナーの人間関係に移行する時の精神を相互扶助精神という」と説明した。

会場に参加していたイラク、スーダンなどのNGOから質問が沢山 でた。「友人はどうして得られるのか」や「パートナーはどうしたら得られるのか」と。

私は答えた。「今からでもあなたと友人になれる。しかし、パートナー関係は気をつけたほうが良い」と。「困難を共にするパートナー関係になった後に、困難に耐え切れなくなってあなたが逃げ出した時が問題だ。その時には私はあなたを軽蔑する。そして友人関係は粉々になる」と。

会議の終了後に国連難民高等弁務官の担当者が言った。「有難う。初めての本音の会議だった。来年も参加して欲しい」と。

御津医師会「医療現場を守る」相互扶助プログラムは御津医師会員相互に尊敬と信頼の新しい人間関係を誕生させると確信しています。

投稿日時: 2008-06-27 20:17:38 (1451 ヒット)


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