第7回御津医師会「地域医療」学術シンポジュムを迎えるにあたって
御津医師会会長 駒越春樹
処暑の折とはいえまだまだ暑さは厳しいものがあります。会員の皆様におかれましては夏バテ対策は十分でしたでしょうか。先日恒例のビヤパーティーを行い、26名の方のご参加いただき秋に向かう英気を養いました。
さて今年も当医師会の「地域医療」学術シンポジュムを企画中です。平成21年から始めたこのシンポジュムも今年で7回目になり、重要な活動の一つとして定着してきているように思います。わたくしたちは、この会がその時々の御津医師会の活動のまとめとなる場として大切なものと思っています。また行政、教育、医療・介護にかかわる人々の意見をいただきながら、医療・介護・福祉に関する情報を地域の方々と我々が共通の認識を持てる場となるように努めてきました。参加された方からは「テーマに関するいろいろな考えがわかった。」「医師会の先生方の本音の意見が聞けて良かった。」などの反応をいただける会になってきています。
振り返ってみますと、第1回は「御津医師会の活動内容の紹介」、第2回は「地域住民・病院・診療所・介護施設等 相互の信頼形成をめざして」、第3回は「認知症の方を地域でいかに支えるか」、第4回は「在宅での看取りを考える」、第5回は「おうちにかえろう 〜住み慣れた自宅での療養生活のために〜」、そして昨年の第6回のテーマは「ときどき入院、ほぼ在宅 〜地域で支える〜」でした。これまでたくさんの方に講演していただき、また意見交換することができました。
いわゆる団塊の世代がすべて75歳を迎える2025年まで、あと10年ほどになりました。
2025年に向けての国の進める地域包括ケアシステムづくりは、まだまだ地域住民に浸透しているとは言い難い状況です。岡山県の地域医療連携拠点事業を委託されて3年になります。御津地域を中心とするみつネットの活動から始まり、津高一宮地区の活動は岡山市の他地区の活動に少なからぬ影響を及ぼしているようです。地域住民の皆様をはじめ、多職種の方々とさらに連携を深め、共通の認識を持って、地域の医療・介護、福祉が向上するよう努力していきたいと思います。御津医師会は地域包括ケアが実現できるよう、在宅医療の充実を図り、介護関係者との連携を強め、また地域の特性に基づく御意見に耳を傾け続けていきましょう。
第7回のシンポジュムを、11月3日岡山市立市民病院の1階のホールで開催します。「リビングウィル −これからの私たちの健康観−」がテーマです。今後複数の慢性疾患を抱えながら、住み慣れた地域で人生の最終段階を迎える人が急速に増えていきます。私たちの健康観も変化して、病気を「治す医療」とともに、心身の状態に応じて最大限に生活の質が保たれ、その人の尊厳が守られる「支える医療」が必要になります。私たちがこの4月に合流をして5か月が過ぎました、日ごろの御協力に感謝しております。ぜひこのシンポジュムの企画にもご意見をお寄せいただき、また当日参加していただきたいと思います。
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