御津医師会理事 森脇和久
「 誤嚥性肺炎を繰り返す寝たきり患者」「 不明熱で食べれなくなった独居老人 」
「圧迫骨折等手術適応のない骨折を有しADLの低下した老人 「癌末期で入院治療の適応」
はないが、家族が困っている患者」等々、こういった症例を抱えながら日夜頑張っ
ておられる先生方 “どこか入院させてくれる適当な病院はないものか”と悩まれる
ことはありませんか? 「 ときどき入院、ほぼ在宅」をキャッチフレーズに在宅
医療推進に取り組んできましたが 「ときどき入院」させていただける病院探しに
非常に苦労してきました。
そこで在宅患者等で入院が必要になったとき、病状に応じて適切な病院を探して
紹介してくれる「在宅トリアージ機能を有するハブ連携室」の様なものを考えてい
たところ、岡山中央病院連携室大田原様、金川病院院長大森先生、岡山医療センタ
ー副院長津島先生の御三方が「岡山市北部地域合同前方連携デスク構想」なる素晴
らしい“絵”を描いてくださいました。具体的には、岡山医療センター連携室の中
に御津医師会からの出向という形で大田原様に入っていただき,同じフロアで岡山
医療センター連携室の方々と顔を突き合わせ相談しながら、医師会員からの紹介患
者のトリアージ(どこに空床があって、どの病院が適当か)をするというもので、国
が推し進める地域医療の機能分化と連携を先取りした画期的な取り組みと考えられ
るものでした。
早速本年4月14日より正式に「 合同連携デスク」として運用を開始し、約1か月
間で18件の依頼があり、それぞれ病状に合った適当な医療機関への入院が可能
でありました。また病院間(岡山医療センターと岡山中央病院)でのベッドの確保
のやりくりに非常に有用で、超急性期病院と一般急性期病院との機能を明確にしお
互い連携しあえるモデルケースとも思われました。医師会員からの反応もおおむね
好評で、受付時間の延長等も行いさらなる利用促進を図りたいと思います。
動き始めたばかりの「 合同連携デスク」、今は医師会員からの入院依頼のトリア
ージ機能しか有していませんが、近い将来地域包括ケアにおける「医療・介護連携
のかなめ」、 「連携室同志のネットワークのかなめ」となるべく努力して行きたいと
思います。問題点は多々あると存じますが、今しばらく温かい目で御見守り下さい
ませ。
最後に、合同連携デスク設置に多大なご尽力をいただきました岡山医療センター
院長佐藤先生、大田原様の派遣を快諾して下さいました岡山中央病院院長岡部先生
に深謝申し上げます。またこの合同連携デスクの趣旨に御賛同頂き、御協力頂ける
ことになりました光生病院,同仁病院,紀念病院、金川病院、福渡病院、済生会吉
備病院の先生方に心より御礼申し上げます。
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