2024年6月 巻頭言

投稿日時 2024-06-11 11:04:02 | カテゴリ: 20代会長 難波経豊先生

巻頭言


御津医師会 理事  木村 恵

 

 3月に出席した災害医療研修会からの情報です。『CSCATTT』(スキャットとも呼ばれるそうです)は災害時医療救護活動マネージメントの基本的な考え方で意味はこのようになります。
 C (Command and control):指揮・統制―指揮命令系統の確立・確認  
 S (Safety):安全―自分自身・現場・生存者の安全 
 C (Communication):情報伝達―組織間の情報の共有  
 A (Assessment):評価―現状の把握・方針の策定
 T (Triage):トリアージ―傷病者の評価・ふるい分析 
 T (Treatment):治療―安定化療法 
  T (Transport):搬送―広域搬送 
 災害が発生した場合、各医療者がトリアージや初期治療、搬送を行っては混乱につながり、また安全確認を行わずに現場に入ると医療者が傷病者になってしまいます。必ずCSCAを行ってからTTTに移ることが大切です。組織として活動するために指揮命令系統の確立が必要で、大切な情報の共有につながります。御津医師会災害救急連絡網の確認をお願いします。前後各二人の連絡先を携帯電話に登録しておいて下さい。
 2024年は4月末までに震度5弱以上の大きな地震が例年を上回る発生を認めています。元日に発生した能登半島地震以降、福島県沖、茨城県、岩手県沿岸部、大隅半島沖、そして4月の豊後水道を震源地とした地震が続いています。今後発生すると言われている大規模地震として首都直下地震や南海トラフ巨大地震が挙げられていますが、日本全国どこで発生してもおかしくない状況だと考えたほうがいいと思われます。何時、何が起きるかは分かりませんが備えておくことが大切です。
防災備蓄の基本として飲料水、食料、簡易トイレ、モバイルバッテリー等がありますが、高齢者、子供、女性の方には追加が必要になります。非常用持ち出し袋は一般的に10〜15Kgとされていますが、女性が徒歩で移動することを考えると約5Kgが望ましく、児童だと約2Kgが安全に避難できると言われています。大量の備蓄品を持ち出すことはできないので最低限の一次用と二次用に分けておくことも推奨されています。
 






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