巻 頭 言
御津医師会会長 菅波 茂
会員の皆様に、暑中お見舞い申し上げます。
7月6日から4日間にわたりスイスのジュネーブで開催された国連会議に参加しました。「世界の健康」のテーマの下に、20ヶ国と7ヶ国のNGOが発表しました。私は2003年から3年間かけて活動した「スリランカの医療和平」を発表する機会を与えられました。スリランカ内戦19年間後の平和構築に、対立する3つのグループの信頼醸成に大きな役割を果たした医療活動の内容の紹介でした。良き統治なくして、住民の健康増進は不可能という指摘も行いました。
プライマリヘルスケアー、ヘルスプロモーション、ヘルスプロダクション、ヘルスリタラシなど次々と新しいコンセプトを世界保健機構が発表。国連機関と各国政府が健康増進のために採用し、保健・医療の現場で実施しています。これらのコンセプトは現場の活動に大きな効果を挙げていますが、コンセプトが重なり若干の混乱さえ発生しています。しかし、詳細に分析すると、これらのコンセプトには共通項が2点ありました。ひとつは「住民参加」が不可欠であること。ふたつは「地域医師会の存在」が無いことです。
わが国は「平均寿命世界一」を更新しています。その特徴は「住民参加」と「地域医師会の参加」です。世界的視野から見れば、先進国や発展途上国を問わずに、わが国の医師会の地域住民に対する疾病治療や健康増進への組織的活動が評価されるべきです。国際会議で積極的に紹介する必要性を感じています。
御津医師会は、御津医師会「医療現場を守る」相互扶助プログラムにもとづいて、医師会員の生存権の確保による求心力を地域住民の健康増進のために必要な医療・介護のシステム構築に反映させる方針です。
暑さ厳しき折、会員の皆様には健康に留意され、私たちを必要とする地域住民とともに「相互扶助」を実施することへのご理解とご支援をお願いします。
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