2009年04月 巻頭言

投稿日時 2009-04-27 20:59:30 | カテゴリ: 2009年度

御津医師会会長 菅波 茂

危機管理の原則は「最悪を想定して最良を行う」です。御津医師会 が絶対に逃げられない危機管理の対象の一つととして岡山空港航空機 事故対策があります。

3月31日に御津医師会は川崎医科大学救急部準教授 荻野隆光先生 と親しく上記に関する懇談の場を持つことができました。荻野先生の 情熱と責任感に改めて敬意を表すると共に今後の対策に関しても御指 導をお願い申し上げました。

岡山空港航空機事故対策を災害医療として位置付けた場合に、御津 医師会が何をなすべきかという視点から下記の3点が大きな問題とし てクローズアップされました。

  1. 誰が重症患者を含む負傷者の対応・処置の責任ある指揮命令を担当するのか。
  2. 誰が重症患者を含む負傷者の責任ある受け入れを担当するのか。
  3. 誰が重症患者を含む負傷者の責任ある搬送を担当するのか。

議論を重ねれば重ねるほど責任の所在が緩慢になりました。机上の プラン想定とパニック状況の現場は全く異なります。災害は突然発生 します。全員が未経験を前提とする方が無難です。約束事が多いほど 混乱します。災害医療対応システムは「Simple is Best」です。現状の 医療対策プランは優れていますが、複雑すぎるのが実感です。複雑さ は調整に貴重な時間が費やされることを意味します。

御津医師会は岡山空港航空機事故対策には主たるプレイヤーとして 積極的に参加する覚悟です。御津医師会にとって最悪の状況とは災害 発生後の検証において「無作為の過失」を指摘されることだからです。 現在のプランでは御津医師会の名前も挙がっていません。単なる医師 会の一つです。明確な役割もありません。

岡山県危機管理担当官の直轄のもとに、積極的に参加する団体の意 志と能力も前提にした実戦的な医療対策プランが作成されることを提 言します。御津医師会の名前だけの関与は最悪の事態を招く恐れがあ るので、最初から関与しない選択肢も考慮せざるを得ません。会員の 方々の御判断に委ねたく思っています。






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