2016年11月巻頭言

投稿日時 2016-10-28 13:11:22 | カテゴリ: 18代会長 大橋基先生

       〜開業医受難時代=地域医療受難時代〜

                       中山医院 中山 堅吾 
私は429号線沿いでは岡山市の最北部で開業していますが、この地よりさらに北部にある地域では深刻な医師(開業医)不足となっています。国を挙げての地域包括システムや在宅医療が推進されていますが、それを担う開業医がいないため在宅医療を希望しても出来ない状態となっています。原因としてはこれまで地域の医療を担ってきた開業医の高齢化と、それに代わる新規開業をする医師がいないということです。現在でも人口密度が低く、高齢化率が高く、今後も人口の増加は見込めずさらに減少すると予想されます。岡山県北部も含め全国的に郡部〜山間地ではこの傾向にあり、この地区も同様にこれからも新規に開業する医者は少ないものと思われます。
新規開業がない理由の一つとしてこのような人口減少という根本的な問題もありますが、さらに将来開業を目指す医師が少なくなっているのも事実だと思っています。総合医の育成や地域医療も医学教育に導入されてきましたが、開業医に魅力がなくなってきたのも事実だと思います。勤務医も大変だとは思いますが、私自身ももう一度やり直せるなら勤務医として専門分野で仕事をし、度々行政から来る届け出とか報告とか煩わしい書類仕事や、職員の給与の心配や税金〜税務調査等々医療以外の心配事や仕事から解放されたいと思う今日この頃でございます。
開業医受難の時代になっておりますが、理由として診療報酬改定の度に減る医療収入、反対に色々な縛りや厚生局への届け出や報告事項が増え、また複雑化する診療体系。改定の度に渡される「改定診療報酬点数表参考資料」も最新のものでは3.5cmの厚さです。24年度版では3cmで30年前は確か1cmか1.5cmぐらいだったと思います。
それだけ複雑化して来ているということです。診療報酬はこれからも右肩下がりに減少するものと思われます。例えば少ない基金を補う目的もあった消費税の8%据え置きや一部の高額医療による医療費の底上げ等を補うため広く浅く開業医の診療報酬点数を下げて来ると思われます。何年か前に役人が「これから開業する医者にはビル開業するぐらいしか診療報酬を出せなくなる」と言ってましたが現実味を帯びて来ました。さらに平成26年から高点数を抑制するために集団的個別指導も始まり、個別指導も同様に医療費抑制のための指導になって来ています。
まだまだ言い足りないのですが開業医受難の時代になって来ているのは事実です。特に地方の開業医が少なくなるということはすなわち地域医療のサービス低下に結びつくということを行政はもっと考えるべきだと思います。
 





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